やまなし が完成して嬉しい話
やまなし、5/11の文学フリマで無事に販売開始しました。途中で2人とも体調を崩して、発売を諦めようかとも思ったのですが、やまなしは絶対5月に出したい!の気持ちが勝ち、少し無理をしながらの作業となりました。でもとても良い本になり、5月に完成したことが嬉しいです。
製本が完成した時、嬉しくて少し泣きました。
今回の本を蔵本設計するにあたり、やまなしを何度も読んで、時折YouTubeの朗読なども聞き、文字を何度も追いかけたのですが、その中で積み重ね、巡り、境界をテーマに決めて制作しました。
やまなしは、クラムボンの部分が良く知られていてなんだか楽しげですが、通して読んで考え出すとすこし怖いんですよね。楽しく、美しく、儚くて、怖い…人生のようなその世界観に合わせて造本設計、紙選び、文字組み、印刷色、イラスト、印刷の具合などしていて考えるとことがとてもたくさんで疲れたけれども楽しかったです。
いわゆるデザイン仕事が根っから好きで、依頼してくれた方や手にしてくれる誰かのことを思いながらデザインするのが好きなのですが、その反面いつも自分をどこかに置き去りにしてものづくりをしていました。
自分のために本を作ってみたいと思ってはじめたやまなしなのですが、とても大変な設計になってしまいましたが、ほんとうに自分の欲しかった本ができたのでとても嬉しいし、それを誰かが気に入ってもらえるというのもとても嬉しくて、仕事としてのデザインとは違う角度のものづくりができて楽しく嬉しかったです。
いつか内容もオリジナルのものができたら、とも思いますが、私は文字を見て様々な考えを巡らせるのが好きなのでしばらくは好きな作品からインスピレーションを得て本を作るようにしたいです。
製本方法、紙などについてはまた後日詳しく書きます。5月に完成してよかった、という話でした。
本をつくる 造本設計
やまなしの世界を楽しめる本にしたいなぁと、文字組みとあわせて本の形、サイズ、製本方法、などぐるぐるしていたものがまとまって図になりました

造本設計、文字組みは固まったので
紙決め、そしてデザインにとりかかれるかな、、、
やや変わった製本なので順番などがこれで良いのかな見本を何度か作らないと。
私は工作が苦手なので辛いです。
工作が苦手です。
本をつくる
活字組版で、『やまなし』の本を作っています。
かれこれ3年くらい前に作ろう!と思い、活字はもう印刷担当が拾ってくれているので、私が装丁を決めて作り始めれば良いんだけど、本にするにあたり、どうするのが良いのかとグルグルと考え決めきれず…日が過ぎていきます。
私は小さい頃から宮沢賢治作品が好きなんですが、擬音や描写すら言葉が美しく面白く、文字からその世界を想像するのが楽しいからでしょうか。国語の授業で雪渡りがあり、本読みがすごく楽しかった記憶があります。
文字から受け取ったイメージがそのまま形になれば良いなと宮沢賢治作品のシリーズはデザインをしています。今まで制作したノートやレターセットは印象的なワンシーンを膨らませてデザインしているのですが、今回は本なので全体感をどうデザインするのかと悩ましくて…
サイズを決めるところからはじまり、製本方法、紙、文字組み、挿絵、印刷方法、表紙デザイン…それを手にしたときの雰囲気とか、めくり方だとか、本は考えるところが多くてずっと3年間ぐるぐる考えていたものがやっと紐解かれて、私の考えた、やまなしの本が見えてきたような…
ずっと自分の思う本を形作りたかったので、思い悩んだり立ちもどったりしていましたがあと少しで形になりそうです
5月の文学フリマでの販売を予定しています
活字組版の活版印刷について簡単にまとめます
活字組版の値段の出し方について
活字代+組み代+印刷代です。
イラストやロゴなどが入る場合は亜鉛凸版でロゴを起こすので版代もかかります。

金属活字代…
繰り返し使えるんですが摩耗するので依頼案件は基本的には新品の活字を使用しています。
値段はずっと高騰しているので言い切れませんが、9ptで1文字80円くらいで概算してくれたら超えることはないかな…という感じで。
ざっくりとした計算ですが140字だったとしても1万くらいですね(もう少し安くなるかな…)
•金属活字は使用するサイズによって1本あたりの値段が違います(書体でも微妙に違います)大きいサイズの活字ほど高いです。
•文字サイズと文字数がわかれば簡易見積もりが出せます。
組版代…
活字だけでは印刷用の版にはできません。
印刷用の版にするために字間、行間などにも金属などを入れて印刷用の活字組版にしていきます。
写真のような簡単な組みであれば値段をとっていないこともあります。

文字数が増え、行数も増えると組版に使う道具も増えるので高くなります。

↑くらいの組版だと活字と合わせて1万を超えます。
印刷代…
位置や紙やデザインごとに印圧やインキなどをセッティングし、一枚ずつ印刷しています。
うちでは紙代もここに含んでいます。特殊用紙の場合は紙代は別途見積もりしています。
インク多すぎても滲んだようになるし、少なすぎても掠れるので微調整をして刷ります。刷る用紙やデザインでも圧のかかり具合などが変わるので
1案件ごとに微調整をしています。
活字は意外と柔らかいので近年流行っているガツンと圧をかける印刷には向かないのですが、シンプルな文字がやや凹んでいるのは侘び寂び的な佇まいで美しいです。
インクの鮮明さと文字のエッジがなんとも揺らいでいて綺麗で、しみじみと染み入る綺麗さというか…
本のカバーや表紙に活字組版の活字で印刷して欲しい。
活字組版ですると、文字は活きているなと感じます。
素敵な紙は世の中に溢れているのでたくさん使ってください。
文字数が多ければれ多いほど活字代金が嵩むので俳句や短歌におすすめです。あとは本の表紙など。名刺などの場合は情報量が少ない方はおすすめです。予算があればもちろん何にでも使用いただけます。
楷書体は柔らかいので短歌や俳句におすすめです。明朝体、ゴシック体が人気ですが、ぜひ楷書も愛して欲しい…(明朝体は大好きです)


活版印刷工房を始めてから、私が俳人だったら…歌人だったら…文筆家だったならば…と思うことが多いです。文字を紡ぐことは今からでも遅くはないのですが、ぜひみなさんにも使って欲しいと思います。
冊子のデザイン制作について
zineや小冊子、オリジナル、二次創作の同人誌などのデザインのみの依頼も受けています。
今回紹介させていただく作品は、オフセット印刷の表紙デザインとカバーデザインのご依頼でした。カバーは活版印刷です。
最初のご依頼の時点で、表紙に使いたい紙を指定していただいていたので、紙に合いつつテーマと合うデザインをしています。西村謄写堂さんのオリジナル紙となるため、用紙をお願いして取り寄せて映り込みやどの程度反射するかの確認をしました。
カバーをつける予定だったので、カバーを取った時の差違も楽しいと思い、紙の鏡面的な質感を最大限に生かし、基本白引き(白インキ)でデザインしています。

星や、直線部分、タイトル下は白印刷。

裏表紙は白引き部分を減らし、奥行きを持たせています。

カバーは一転してシンプルないわゆる紙らしいやや手触りある紙に活版印刷。金属凸版となります。
柄部分は圧を抜き気味ですがシルバーやパールを混ぜたややキラっとする質感で、タイトル部分はゴールドインキで圧を強めています。

光のあたり具合ではこんな色にも見えます。

冊子本体は光や、写り込みで表情が変わるので、カバーは静かめで凛とさせました。

カバーの背表紙も圧強めでくっきりと。
素敵な作品制作のお手伝いをさせていただきありがとうございました。
活版印刷で使う用紙は9割くらいは特殊紙なので、10年間活版所でデザイナーをして特殊紙がより好きになりました。
もともと特殊紙が大好きなのですが、こうしていろんな紙を使わせていただけてとても嬉しいです。
ご依頼ありがとうございました。
カードの多色刷り活版印刷
活版印刷はわかりやすくいえば版画と同じ手法となります。
版が増える、つまり多色刷りになるごとに手間も倍となるため、かなり高価になってしまいます(位置合わせがなどがあるのでそれ以上と言っても過言ではない)
活版印刷の制作費の見積りを出すにあたり製版代、紙代、印刷代の3つが大きな要素です。
製版代…面積による
製版代はどう算出されるかというと面積計算となっています。名刺サイズギリギリのデザインであれば版代は91㎜×55㎜となりますが、版制作時の最小サイズは100㎜角と決まっているのでその値段となります。100㎜角で2500円ほどです。
紙代…サイズと銘柄による
印刷代…サイズと枚数、技術代、またインクなどやによる
という感じです。
多色印刷は版代と印刷代がが価格に影響します。
多色をやってみたい!という方は
印刷面積を小さくするなどの工夫があると作りやすいかもしれません◎
活版以外の印刷との組み合わせも可能ですので、オフセットやオンデマンドで印刷したものに活版でワンポイント、というのもおすすめです。
二版だと位置合わせがズレると絵柄が完成しない、ということも。
https://ima.goo.ne.jp/column/writer/55.html?page=3










NICE LIFEクマシリーズ 用紙/特Aクッション1㎜
https://kappan.stores.jp/items/5f0c39258b4f20326b328d62
まんまる〇のクマシリーズは線画は共通で、多色刷りを楽しんでいただくよう制作しています。
多色のデザインは、大変な部分もありますが可愛く仕上がります。楽しいのでぜひチャレンジしてみてください!
活版印刷の依頼について
まんまる〇への依頼についてわかりにくいかなぁ、と思いながらも10年経ってしまっています。
おおよその流れ
①メールフォームもしくはメールで入稿や受注の連絡を
②受注仕様書をまとめたものをまんまるより返信→確認が取れた時点で発注決定、お客様情報のメールフォームお送りしますのでご記入ください
③メールフォーム返信いただけましたらお支払いなど案内します
④納品
受注仕様書送付時に納品日や最終見積もりをお伝えしています。
変形サイズなどの見積りの場合は以下を書いていただけるとお見積もりが出しやすいです。
見積り時に必要な情報
納品数
印刷用紙サイズ(仕上がりの紙サイズ)
希望用紙(あれば)
印刷データについて(活字組版orデータ)
印刷版面サイズ(印刷するデザインのサイズ)
印刷面(片面、両面)、
色数(1色、多色)
刷り色(基本色、特色)
納品日
メールでの問い合わせだと伝えづらい場合などは、工房での打ち合わせやzoomなどのweb打ち合わせも可能です。
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