製作記録

活版印刷やデザインなどの製作記録です

間をつくる

2026年もよろしくお願いします。

2014年の初頭、新宿のアパートの片隅に一台のテキン(手動印刷機)を置いたことから、私たちの活動は始まりました。

当時は活版印刷の工房を本格的に始めるなんて夢にも思わず、2016年に荒川区で工房を構えた時も「本当にやっていけるのだろうか」と、不安でいっぱいだったことを昨日のように覚えています。

そこから無我夢中で走り続け、たまに転んだりもしながら、気づけば今年、工房開設10周年という節目を迎えました。

 

この10年の間に、社会も、活版印刷を取り巻く環境も大きく変わりました。活版を知る人が増え、使われる場が広がる一方で、紙の値上がりや、紙媒体そのものの減少といった現実もあります。

そんな中で、私たちがこれから工房として、活版印刷に携わる人間としてどう在るべきか。

辿り着いた2026年のテーマは、「間をつくる」です。

ただ受注して印刷するだけではなく、誰かの「作りたい気持ち」と「実際の制作物」の間を、より豊かに、より丁寧に紡いでいける存在でありたい。

そのために、知る場、見る場、話す場、そして体験する場。そうした多層的な「間」をつくっていきたい考えています。 

 

私自身についても、ひとつの変化があります。

それは、これまで以上に「自分の人生を灯すもの」を作っていきたいという想いです。

自分が心から欲しいと思うもの、人生を送る上でなくてはならない「生活の共」となるような本や印刷物。

私が自分のために灯した光が、結果として、それを必要とする誰かにとっても灯りのような役割を果たせたら、ほんとうに幸いです。

 

変化が激しいこの10年、長くこの場所に居続けられたことには、言葉に尽くせない感謝でいっぱいです。

そしてこの先の10年をどう歩むか、変化を厭わず、自分たちの手で新しい「間」を構築していければと考えています。

詳細は追ってお伝えしていきますが、2026年のまんまる〇も、どうぞよろしくお願いいたします。

 

まんまる〇 若林